イベント情報Event information
井川夏祭り
(毎年8月15日開催)
地域と里帰りの人たちを結ぶ祭り
井川地域がお盆を迎える毎年8月15日に開催されている「井川夏祭り」。先祖供養を兼ね、お盆時期に里帰りする人と地域の人が交流できるようにと続けられている祭りだ。
17時頃になると、井川の商店街に提灯がともされ、店の軒先では地元の人たちが出店の準備を始める。井川伝統の盆踊りや、夜空を彩る打ち上げ花火など、昔懐かしい趣を感じさせる地域密着型の祭り。井川の商店街が活気づく「井川夏祭り」を取材した。
里帰りしてきた人たちに
井川の良さを知ってもらいたい
「井川夏祭り」について、主宰する井川自治会連合会の栗下さんに話を聞いた。
8月14日に新盆を迎える井川地域では、新盆に合わせて里帰りする人たちが増え、通常の井川の人口の数倍にも膨れ上がるそうだ。里帰りした人と地域の交流や故郷の良い思い出づくりとして、この祭りが戦後から開催されてきた。年々、人口が減少している井川地域。この祭りを通して、里帰りする人に少しでも地域の良さを感じてもらい、いつか井川に戻ってきて貰えればというのが、栗下さんの想い。
昔は、地元の青年団が中心となって祭りを運営していたが、若年層を中心とした人口減少が進み、今では栗下さんを筆頭とした自治会が、この祭りを運営している。集客を重視するのであれば、8月中旬の休日に祭りを開催するほうが効率的という意見もあるが、「地域主体の祭り」ということで、毎年変わらず8月15日に祭りを開催しているとのこと。
誰でも参加できる
昔から伝わる盆踊り
日没から、有志が集まり盆踊りが始まる。盆踊りは、「井川音頭」や「井川おばこ」が中心。昔は、玉川や大河内といった他地域から井川に嫁ぐ人が多かった。井川以外の地域から来た女性たちが、故郷の踊りを井川の夏祭りに注ぎ込み「井川音頭」や「井川おばこ」といった独自の盆踊りが作られてきた。
静岡市役所井川支所の裏側の広場に櫓が組まれ、その周りで老若男女が時間を忘れて踊っている。取材に来た我々にも『一緒に踊ろう!』と声をかけてくれるなど、里帰りの人だけではなく、誰でも参加できる心温まる祭りである。
日が沈むと、井川には心地良い風が吹いてくる。心地良い気温の中、広場の櫓を中心に2重の円を描きながら、音楽に合わせて踊る人々。『昔は、この広場いっぱいに5重の円ができるほど参加者がいっぱいだったんだけどね。』と、先ほど、我々を誘ってくれた女性が少し寂しそうに話していた。
祭りを盛り上げる出店や花火
いつも取材時にお世話になっている商店街には、10店あまりの出店が連なっており、良心的な地元価格で安くて美味しいものを販売していた。子どもたちは射的やピンポン玉すくいに夢中になり、大人はビール片手にお祭りを楽しんでいる。商店街の各所で円座になり、語らいながら人々が親交を深めているのもこのお祭りの特徴なのかもしれない。
20時頃になると、商店街の裏の井川湖を挟んだ対岸から花火が打ち上げられ、祭りのクライマックスを迎える。花火を見る絶好のスポットを栗下さんに聞くと、『渡船場付近かな』とのこと。『本当は、湖上から花火を上げたいんだよね。』との思いも。多くの分野で井川地域の活性化のため尽力している、栗下さんが笑みを浮かべながら話をしてくれた。
普段は喧噪とは無縁な静かな町も、この日ばかりは盆踊りの音楽、打ち上げ花火の音、里帰りの人々とお酒を交わしながら話をする人々の声で賑わう。地域主体の「井川夏祭り」だが、外から来た我々も井川の暖かい人々にもてなしをしてもらいながら、お祭りを楽しむことができた。「井川夏祭り」は、今後も、地元の想いで継続されていくだろう。
開催日・開催期間 | 毎年8月15日 |
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会場 | 井川商店街及び静岡市井川支所裏広場(盆踊り会場) |
駐車場 | 井川観光協会などの駐車場をご利用ください |
主催 | 井川観光協会 |
お問い合わせ | 054-260-2377 |
※この情報は、2018年8月31日現在のものです。
開催時間、料金など掲載内容は変更されている場合があります。おでかけ前に主催者・施設にご確認ください。